スキルが高くないとフリーランスになれないし、仮になれたとしても、仕事も貰えるか分からない不安定なものだと会社員時代に先輩から言われたことがありました。
実際フリーランスになってみて、契約形態や仕事の取り方次第で安定か不安定か変わってくることが分かりました。
安定か不安定かどうかの一つに、クライアントから契約を切られる確率はどれくらいかで判断することが出来ます。
労働政策研究・研修機構が公表したフリーランスに関するデータに、作業途中に一方的にクライアントから契約を打ち切られた人がどれくらいいるかのデータが載っていました。
出典:『独立自営業者」の就業実態』|労働政策研究・研修機構
IT関連だとサンプル数363に対して、10%強の人がいるそうです。10人に1人の人が作業途中に契約を切られていると考えると、恐ろしいですよね。契約切られるまでの作業分に対しても報酬が振り込まれないわけですし(笑)
しかしこのデータは全体の数値で、クライアントとどのように契約したのかが記載されていませんでした。個人で直接契約すれば、報酬が支払われないことや急に契約を切られるなど、トラブルを起こす確率は上がると思います。
契約を切られリスクを最小限に抑え、安定的に働ける方法があります。
その方法とは、このブログで何回か紹介しているエージェントを通して、準委任契約で働くことだと思います。
エージェントを通して契約した場合、契約を切られる割合は肌感覚で5%未満くらいに抑えられると思います。業務をサボったり、急に出社しなくなるという人は除いた数値です。
良識ある人であれば「えっフリーランスでもそんな人いるの?」と思われるかもしれませんが、仲良いエージェントの人に聞いたら、中には本当に理由もなく急に企業に出社しなくなる人もいるそうです。
企業から不満や心配の声が上がり、担当の方がエンジニアの家に訪問しに行くこともあるみたいで、そういった話を2、3例聞いたことがあります(笑)
- そもそも一方的に契約を切るような会社とは契約していない
- 長年の付き合いと何人ものエンジニアを紹介してきた実績から、どういった企業かを把握しているため、自分に合う企業を紹介してくれる
- 経験豊富なエージェント担当がクライアントとエンジニアの不満や悩みなどを定期的にヒアリングして調整してくれる
エージェントを通して契約することが、最小限に抑えられると言いましたが、今までフリーランスになって2年経験した中で、契約を切られた人も何人か目の当たりにしました。今回はどういった理由で契約を切られたのかと、どうしたら契約を切られないで済むかを考えてみたいと思います。
契約を切られたパターン①
スキル不足
会社員と違って、実力を見られるフリーランスならしょうがないですね。
スキル不足で切られるパターンが1番多いと思います。クライアントも安くない報酬をエンジニアに支払うわけで、求められるのは即戦力です。
正社員と違って企業は成長をさせようとかして欲しいとか微塵にも思っていません。
プロジェクトに入ってすぐに対応できる技術力や成果を望んでいるので、それに見合っていない場合は、数ヶ月で切られてしまう可能性があります。
フリーランスになって何回かこのパターンを見てきました。ある程度数年実務経験がある人であれば、よっぽど高いレベルを求められる企業でなければそう切られることはないと思っています。企業によって求められるレベルが違うので、ある企業で契約を切られてしまう人も他の企業なら大丈夫というパターンもあります。
中には全くスキルが伴ってなく、仕事の進め方を分かってない人で、開発環境やステージング環境で確認せずに、いきなり本番環境にソースを上げてバグを起こして契約を切られた強者もいましたが、そういった人たちは例外です(笑)
対策
スキル不足で切られないようにする対策としては、数日で急激にスキルが成長することは望めないと思うので、ある期間を必要としますが、まずはフリーランスは成果や結果を求められることを強く意識することだと思います。
日頃からこの意識があれば、自ずとスキル向上に励み、気付いたらスキルが上がっていると思います。
すぐに出来る対策としては、当たり前のことかもしれませんが、まずは自分が出来る範囲の業務を積極的に引き受け、やる気や意気込みでカバーしていくしかないと思います。多少スキル不足だけど、これから伸びてくれそうと僅かでも思わせることが出来れば、企業側も一から他のエンジニア探して契約するのも、それなりに時間とコストがかかるので、切られない可能性も全然あると思います。
契約を切られたパターン②
コミュニケーションや意識不足
目の当たりにした場所は基本リモートワークでかつ、限られた時間で成果を出さないといけない現場でした。
切られた人は物凄い出来る人でもなかったですが、そこまで低スキルでもなかったと思います。
どちらかというとコミュニケーションの問題で、作業姿が見えないリモートワークは不透明な部分があるので、どこまで業務を進めたかの報告や問題共有、その他コミュニーケーションの取り方がいけなかったと思います。
例えばあんまり愛想もなく、企業は強制ではないが週一出社を望んでいたにも関わらず、完全リモートワークを望んでいたなど。
ものすごいできる人ならば完全リモートワークも出来て、多少コミュニケーションに問題があっても目をつむってもらえるかもしれません。そうでない人は、企業がどういったコミュニケーションや仕事の進め方を求めているかを汲み取ることが必要だと思いました。
社会人として当たり前のことを言ってるかもしれませんが、こういった事例で切られるパターンも結構あると思います。
対策
対策としては、意識の面になってしまいますが、報告連絡相談はまめにする意識と、企業がどういったコミュニケーションや仕事の進め方を望んでいるかを考えることですかね。
契約を切られたパターン③
予算不足
予算不足と言って契約を切られた人がいました。
これは当人次第では若干どうしようもないかなと思います(笑)
システム開発の相場感を理解していないトップの人たちが実態を見ないで、予算削減しろと圧力をかける場合があります。
対策
エージェントを通すことで、予算不足によって切られる可能性があるかないかはある程度分かるのではないでしょうか。(もちろんその時の状況によって変わると思うので、完璧には分からないと思いますが、少なくとも半年くらいまでは)
また仮にそうなった場合にも他の人と比べて信頼を勝ち得ておけば、切られる対象にならないかもしれません。日頃から周りとのエンジニアとの技術差や信頼度を意識しておくことは大事だと思います。
契約を切られたパターン④
気にくわない
もっとも理不尽なパターンを一度だけ見たことがありました(笑)
企業とウマが合わなくて早々に契約を切られた人がいました。面談してくれた人と必ずしも実際の現場で働くとは限りません。配属された事業部のトップと性格が合わなかったらこういうケースに遭遇することもあるかもしれません。
その方は技術も申し分なかったのですが、体調不良で月に1,2度全休が2ヶ月続いて、休み過ぎということで切られてしまいました。(稼働時間は契約の時間幅に収まっていたにも関わらず)
単純に気に食わないから契約を切らるということもあるのだと、この世の中の不条理さを見た気がしました。こういう場面だと仕事をもらう立場のフリーランスは弱いよなと実感します。
対策
こういうトップの人に当たってしまったら、運が悪かった思うしかないですね。逆に早めにその現場を去れて、運が良かったと気持ちを切り替えるしかないと思います(笑)
まとめ
労働政策研究・研修機構が公表したフリーランスに関する契約を切られたデータと、実際に目の当たりにしたことのある契約を切られたパターンを見てみました。他にも違うパターンや対策について、ご意見などありましたら、コメント頂けたら嬉しいです。
契約切られるパターンを紹介しましたが、エージェントを通した場合は基本的に契約切られることはあまりないですが、会社員と違ってフリーランスは力がなければ、常に契約を切らる可能性があることを改めて意識し、引き締めようと思います。